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コリネバクテリウム・ウルセランス感染症

多くの人が初めて聞く感染症かもしれません。
国内初の死亡例が出たとのことで大きく取り上げられました。

ズーノーシス”とも言われる“人獣共通感染症”のひとつ。

またか!と不安が広がりそうですが、
きちんと対策をとっていれば恐い病気ではありません。

人獣共通感染症について正しく知って
冷静に対応することにしましょう。

 

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症とはどんなものか

昨年、野良猫から感染した“マダニ感染症”で女性が死亡した
というニュースが出たときも世間に不安が広がりました。

今回も野良猫が感染源らしいとのこと。

近所の野良猫は大丈夫か?
ペットの猫は大丈夫なのか?

と心配する声が上がっています。


しかし
猫に責任があるわけではありません。

コリネバクテリウム・ウルセランス菌は自然界に常在している
菌でとくに牛や馬などに多くみられるとのこと。

ということは、牧場など牛や馬の飼育施設があるような場所の
野良猫は保菌している可能性はあります。

牛馬などの家畜と接触のない野良猫や、
完全室内飼いの猫は保菌の可能性は低いと思われます。


コリネバクテリウム・ウルセランス菌は種々の化膿性炎症を
引き起こす菌で、ジフテリア毒素を産生する細菌です。

ですのでこのウルセランス菌が人に感染すると
ジフテリアのような症状を引き起こします。

(ジフテリアは昔の感染症で、予防接種の普及により
今ではほとんど見られなくなっています。)


咳や喉の痛みといった風邪のような症状がみられ、
悪化すると呼吸困難を引き起こします。

皮膚病やリンパ節の腫脹などが見られることもあります。

治療には抗生物質を投与します。

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症は、
2001年~2016年までに19件の発生が報告されています。

しかし、そのほとんどで
実際に猫から感染したという確認はとれていないのです。

ただ、そのうち17件が
猫を飼育している、野良猫に餌やりをしているという事実、

そのため疑いが濃厚とされているわけです。

なにしろ、飼育猫は調査できますが
野良猫をすべて調べるのは不可能。

感染経路を追及することは難しいのが実情です。

 

人獣共通感染症とはどんなものがあるか

人獣共通感染症とは、
人間と動物の双方が共通してかかる感染症

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症に限らず、

致死率の高いエボラ出血熱やペスト、狂犬病、
鳥インフルエンザなどもそうです。

その数は30以上、結構多いです。


ペットを飼っている人がとくに不安に感じている
ペット由来とされる感染症をピックアップすると
 ↓

狂犬病  (犬)   
オウム病  (インコ、文鳥)
トキソプラズマ症 (猫)
パスツレラ症   (猫、犬)
カンピロバクター腸炎(犬、猫、小鳥)
猫ひっかき病 (猫、犬)
Q熱  (猫)


この中でとくに危険なのは死に至る狂犬病。

次にトキソプラズマ症。

妊婦さんが感染すると流産か死産になったり、
産まれた子供に重度の障害が残ったりします。


しかし、たとえば狂犬病は、
日本では約50年前から発生していません。

海外で狂犬病に感染して帰国した男性が
死亡したという事例はありますが。

日本では法規制と予防注射で
狂犬病を締め出すことができたのです。

ほかの感染症もしっかりした対策をとれば
防ぐことができるのではないでしょうか?

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人獣共通感染症を予防するには

人獣共通感染症は大抵動物から人間に感染するわけですから、
人間の側が注意深く対応することが必要です。

まずペットの犬猫には
必要なワクチン接種を行なうことが肝要。

そしてペットに接する際に注意すべきことは
  ↓

食器の共用やキスなど過剰な接触を避ける

ペットにさわった後、石鹸で手を洗う

ペットの排泄物をこまめに取り除いたり、
トイレその他ペットが使用するものを清潔に保つ

さらに、牛馬豚などの家畜に接する際には
ペットに対するより以上の注意を払うこと。

また野生動物は飼わないことにするのが賢明。

野生動物は、その習性や病気について
詳しく知られていない場合が多いのです。


これらのことを注意深く行なうなら
人獣共通感染症はかなり防げるはずです。

 

過熱した情報に振り回されないこと

今回報道されたウルセランス感染症も
前回騒ぎになったマダニ感染症も

死亡者が出たことで大きな話題になったのですが、
感染の発生件数をみればきわめて少数。

珍しい事例なので大きく取り上げられたとも言えます。


しかしメディアで取り上げるとなぜか大騒ぎになります。

報道が過熱すると、
猫を敵視する向きも出てくるかもしれません。

感染症の危険性を強調されると、
ペットの猫さえも恐く感じてしまうかもしれません。


過熱した情報に振り回されないようにしましょう。

落ち着いて冷静に対処することが必要です。

予防の対策をしっかり行なえるのであれば
恐れることはないのです。

人獣共通感染症は予防できる病気であり
治療法も存在するのですから。

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